q

あなたをこれまで最も遠くへ誘ってくれたもの(こと)はなんですか?

a

間違いなく読書だと思います。高校まで地方に住んでいたのでほとんど生のアートや舞台に触れる機会もなく、インターネットもスマホもYouTubeもない時代でしたので、とにかく本を読んでいました。時代やジャンルを問わず、図書館や父親の本棚を読み漁っていました。

あとは、ただ夜空や夕焼け、遠くの山を見るとか。田舎ゆえ、物理的・時間的に計り知れない距離を自然の中で感じる経験が多かったので、遠くへの憧れや畏怖の気持ちを醸成してくれたように思います。

q

既存のウェブメディアに不満を感じること、またこれからのウェブメディアに期待することはなんですか?

a

いま海外で仕事をすることが多いので、日本やアジアの思想家や表現者が紡いでいる思考や実践、その周囲に生まれるユニークな磁場やムーブメントを、正しい英語で時差なく配信してくれるメディアがあったらいいなと思います。

相馬千秋 アートプロデューサー

NPO法人芸術公社代表理事、東京藝術大学大学院美術研究科准教授。1975年生まれ。領域横断的な同時代芸術のキュレーション、プロデュースを専門としている。写真:©NÓI CREW