q

あなたをこれまで最も遠くへ誘ってくれたもの(こと)はなんですか?

a

坂本龍馬の写真を見たとき視線が遠いと思いました。視線が遠いというのは、それだけで既に遠くにあるだろう何事かをイメージしているようです。それを換言する「夢」となるかもしれません。私自身も「夢」こそ遠くへ誘うものなのではないかと思いますが、いま、例えば「夢を語る」というと、ちょっとダサいのは確かなこと。しかし、それにも関わらず、いまこそ「夢」を再解釈し、それをベースにして臨むことが必要な時期にさしかかってきていると考えています。

q

既存のウェブメディアに不満を感じること、またこれからのウェブメディアに期待することはなんですか?

a

最近90年代の雑誌の分析をしています。その経験から、具体的な企画案として、例えば、1993年の4月に刊行された各種雑誌を並べて、写真やデザイン、特集を検証する企画を担当したいです。そこには一回きりの、一発勝負の、ヴィジョンが積層されています。本題に戻りますと、これからのウェブメディアに期待することは、「ウェブメディア魂」です。「これで人を感動させることができるのか」という熱血を軽やかに。

森岡督行 書店主宰

森岡書店代表、作家。1974年生まれ。銀座で「一冊の本を売る書店」をコンセプトにした森岡書店を経営している。著作も多く、現在は、『花椿』(資生堂)、『本の窓』(小学館)、『Richesse』(ハースト婦人画報社)などでコラムを連載中。