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あなたをこれまで最も遠くへ誘ってくれたもの(こと)はなんですか?
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迷わず「経済学との出会い」と答えたい。大学に入学して、あまり期待せず仕方なく受講したはずの必修のミクロ経済学。ところが、この講義との出会いが僕の人生を大きく変えた。インセンティブ、需要と供給、余剰分析、ナッシュ均衡……。シンプルな概念と明快な論理に基づいて、複雑な経済問題を紐解いたり、望ましい政策判断を導いたりできてしまう。なんともヤバい学問ではないか!勉強を進めるにつれて目から鱗がぼろぼろと落ち、以前と比べて視界が劇的に開かれていくことを実感する。以来、その魅力にすっかりハマり、経済学の本場で博士号を取るために5年間もアメリカへ留学することに。最近も、さらなる研鑽を積むためにヨーロッパで1年半ほど在外研究生活を経験したばかり。3年前には、学知のビジネス活用を実践するために経済学者仲間と会社を作り、コンフォートゾーンである象牙の塔からも一歩抜け出した。経済学は、僕自身をいろいろな形で遠くまで導いてくれる頼もしい存在なのだ。こんなパワフルな学問との付き合いも、気が付けば20年を超えた。これからも、どこへ誘ってくれるのかが楽しみである。
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既存のウェブメディアに不満を感じること、またこれからのウェブメディアに期待することはなんですか?
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ウェブ記事に対する評価を行うレーティング・サービスをウェブメディアが提供してみてはどうだろうか? 例えば、似たトピックに対する複数の記事を比較して、レストランやECサイトのレビューのように5段階評価(★5が最高)が表示されると読み手は参考にしやすいのではないだろうか。現状では、RT/シェア、「いいね!」の数しか表示されず、内容の質とは無関係に、バズっている記事に誘導されてしまうケースが大多数という印象を抱いている。
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安田洋祐 経済学者
大阪大学大学院経済学研究科教授。1980年生まれ。ゲーム理論、マーケットデザインを専門としながら、経済学のビジネス活用の促進やメディアでの情報発信など、理論と実践を並行して行っている。写真:©原野純一