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あなたをこれまで最も遠くへ誘ってくれたもの(こと)はなんですか?

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わたしの住む盛岡市には吉浜食堂(きっぴんしょくどう)という海鮮料理のお店がある。岩手の美味しいお魚や貝を食べることができるので、友人が岩手に来てくれるときは必ずそこへ案内する。

うっとりするようなお刺身、日本酒、ナチュールのワインなどを一通り楽しんで、たくさんおしゃべりして。うれしくてぽってりした頬でお会計を頼む。その帰り際に、「100歳のあわびの貝殻」を見せてもらえることがある。その貝殻の持ち主である吉浜食堂の店主は、ご自身が漁師をしている。大きさから考えて、推定100歳は越えているであろうとのこと。

100歳のあわびの貝殻が虹色に光る。そのたびに、ぽわっと酔った頭の中で、遠く100年前の海の中に暮らしていたあわびのことを考えてしまうのだ。

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既存のウェブメディアに不満を感じること、またこれからのウェブメディアに期待することはなんですか?

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不満はないけれど、探すといろいろありすぎるので特に見ているウェブメディアはない。たまたまその土地に住んでいるから、その土地の商店街のお肉屋さんでコロッケを買う、みたいに、もっと選択肢の狭い中からなら選べるのにな、と思うことがある。

くどうれいん 作家

1994年生まれ。小説、短歌、俳句、絵本など、さまざまな形式で創作を行っている。俳句短歌は工藤玲音名義で発表している。