- q
-
あなたをこれまで最も遠くへ誘ってくれたもの(こと)はなんですか?
- a
-
ニューロダイバーシティという言葉があります。ニューロとは神経回路ですから、神経構造の多様性。自閉症やADHDなど知性やものの見方感じ方は、生まれつき違っている部分がある。そんなニューロダイバースな人びとが、仮想世界で活躍する姿に、私はアバターとして出会ってしまったのです。
ある自閉症のアバターが、仮想世界に作ったアリスのうさぎの穴に、私のアバターをさそいました。その穴に落ちると、そこには彼が仮想世界に作り上げた、自分の視覚優位など自閉症的脳内世界を体現した部屋がなんと130も作られていたのです。
仮想空間で遭遇した自閉症の人々が語っている内面世界は、情報を過剰なままに取り込んでいる強烈な脳内景色、ハイパーワールドでした。世界には、自分とは違う感覚や認知の方法で、世界を過剰なまでに強烈に見、聞き、そして世界を感じている人々がいる、ということ思い知った経験。自宅のソファの上でログインしたのですが、それはとても遠くに来た出来事でした。
- q
-
既存のウェブメディアに不満を感じること、またこれからのウェブメディアに期待することはなんですか?
- a
-
回答なし
-
池上英子 社会学者
米ニュー・スクール大学大学院社会学部教授。ニューヨーク在住。歴史社会学を専門とし、日本社会を比較文化の視点からネットワーク論的に見直す仕事で知られ、仮想社会におけるニューロダイバーシティ研究のパイオニアでもある。