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あなたをこれまで最も遠くへ誘ってくれたもの(こと)はなんですか?
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株式会社アットマーク・アイティ(現・アイティメディア株式会社)を50歳を前に創業したことです。
メディア企業を創業したこと、特にそれがインターネット専業のメディア企業であったことは、自分の出版社経験(社会人としてのキャリア出発点は出版社勤務でした)、そして、ITベンチャー企業(その後、さらにIBMというど真ん中のIT企業へと向かった)への転職経験を総合した結果でした。
それはメディアビジネス、特にその21世紀モデルを考えさせる、自分には一大転機だったといえます。そこにIT、スタートアップの要素があったことが、当時は想像もしていなかったような、現在もなお未完成の産業に足を踏み込む出発点でもありました。
新分野の創造へと向かう起業経験は、自分を遠くにまで歩ませてくれたと同時に、さらにもっと遠くまで歩んでみたいと思わせる想像力の源泉ともなっているのです。
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既存のウェブメディアに不満を感じること、またこれからのウェブメディアに期待することはなんですか?
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Webには「リンク」と「オープン性」があります。が、それ以上のものがありません。発見や真正性の担保、動的なフォーマット転換など不足だらけです。一方で、IT/ネット革命に次ぐ、AI革命の時代がこれらをどう刷新するのかについて興味津々です。
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藤村厚夫 メディア研究者
スマートニュース株式会社フェロー。1954年生まれ。編集者、マーケティング責任者を経て、ネットメディア会社を創業。現在は、デジタルメディア基盤技術の発展とメディア産業の新たなあり方を模索している。