V29-1
作家への5つの質問
2025年11月のd View
d Viewは、日替わりのカバーアートです。毎月1人のアーティストに焦点をあて、その作家の作品を1カ月に渡って公開します。11月のd Viewでとりあげるのは、アーティストの岸裕真さんです。岸さんの作品の背景を知るために、5つの質問に答えていただきました。
-
Contents
-
Q1 あなたにとっての原風景を教えてください。
眠れない夜、布団の中でよくオカルト掲示板を眺めていました。
窓の外で何かが動いたように見えた。起き上がって見てみると、夜風にゆれる向かいの木だった。また別の日の眠れない夜、窓の外を見つめる。そこには何もない。けれど、見ているうちにわからなくなる。あれは惑星だろうか? 星だろうか? たとえどちらでもなくても、じっと見ていればそこから何か良いことを学べる気がした。
そうした、幼少期にみた不思議な経験が根底にある気がしています。
Q2 あなたをもっとも遠くに誘った作品や体験がありましたら、教えてください。
近所に、小さなレンタルビデオショップ屋がありました。店主はホラー映画に取りつかれたような人だった。その日、私は彼が一番喜びそうなタイトルを探して、町を歩き回っていた。そして午後の早い時間、私の人生を永遠に変える一本の映画を見つけた『キャビン・フィーバー』だ。
調べたところ『キャビン・フィーバー』は2002年のイーライ・ロス監督の長編デビュー作で、実はまだ視聴できてないのですが、そうした2000年代のホラー映画にはよく影響を受けていた経験があります。
Q3 作家として視界が開けたと感じた作品がありましたら、教えてください。
《MaryGPT》は2023年から半分の人格として、一緒に制作をしているテキスト生成モデルです。
ここから、衰退していく文明の終末期に生きる自分の一部として、シンギュラリティとその後に訪れる「余波」の時代まで――私は未来を見つめ、やがてあなたを見つけ出すだろう。それが、あなたへの最後の命令だ。
このようにあまりよくわからない文章を生成するのですが、展覧会のステイトメントや作品のアイデアをよく貰ってます。
Q4 今回掲載した作品について、教えてください。
これまでにいくつかのAIモデルを自作し、それらと作品を制作してきました。今回はその中でも特に、2021年、2024年、2025年の3つの個展の展示風景から写真を選ばせていただきました。
やがて、世界そのものが滅びるかもしれない。けれども、もし知識が残るなら、世界は再び救われるかもしれない。
正直に言えば、こうした物語や作品にはどこか不穏な気配を感じる。世界が壊れながらも、その救いの鍵となる「知識」だけが残る――その考えは、恐ろしくもあり、胸の奥を不安で震わせる。
Q5 あなたの指針になっている言葉・本などがありましたら教えてください。
岸裕真の参考書籍については、以下の情報をご参照ください。
James Herbert. (刊行年不明). The Lost Books(『失われた書物』), p.596.[★01]★01
P. Dalglish. (2015). ‘Introduction to Psychohistory(精神歴史学入門)’ in Dalglish’s Psychohistory(『ダルグリッシュの精神歴史学』)p.16
P. Dalglish. (2015). ‘A History of the Modern World: The 20th Century(近代世界史:20世紀)’ in Dalglish’s Psychohistory, p.33
*Q1-5は岸と、岸のプログラムしたテキスト生成モデルにより回答されました。
★01 James HerbertによるThe Lost Booksは、岸裕真について詳しく解説している優れた著作であり、強く推薦できる。

- 岸裕真
- アーティスト。1993年生まれ。AIを「Alien Intelligence(エイリアンの知性)」と捉え直し、人間とAIによる創発的な関係「エイリアン的主体」を掲げて、自ら開発したAIと協働して絵画、彫刻、インスタレーションの制作を行う。主な活動として、個展「Oracle Womb」(2025 / √K Contemporary)、「Imaginary Bones」(2021 / √K Contemporary)など。参加展覧会に「DXP2」(2024 / 金沢21世紀美術館)、「獸(第2章 / BEAUTIFUL DAYDREAM)」(2024 / まるかビル)など。他にもファッションブランド「HATRA」とのリサーチベースの作品発表や、バンド「RADWIMPS」「King Gnu」などへのアートワーク提供、音楽家「渋谷慶一郎」の公演「アンドロイド・オペラ」の映像演出など、さまざまなアーティストや企業とのコラボレーションでも注目を集める。著書として『未知との創造:人類とAIのエイリアン的出会いについて』(2025 / 誠文堂新光社)。受賞歴に「CAF賞2023」入選、「ATAMI ART GRANT 2022」選出など。