IC65-5
宇宙生命の可能性と、 人類と宇宙生命とのコミュニケーションの(不)可能性をめぐって
[掲載日:]
地球上の生命は、火星からやって来た?
佐々木 私がアメリカにいた頃、新聞……といっても、スーパーのレジの脇にあるようなタブロイド紙ですが、そういうのにエイリアンの話題が頻繁に載っていました。「テキサスの山中でエイリアンを発見!」とか「NASAが金星にエイリアンがいるのを隠していた!」とか。そのくらい向こうでは、エイリアンが非常に身近な存在でした。
長沼 でも、ちょっと前までは、エイリアンといえば映画やSFの中の話だったけど、今はより科学的にエイリアン(宇宙生命)を扱うことができるようになってきた。おかげで今回、こういった展覧会(「エイリアン展」)が日本科学未来館で開催できるようになったわけですが、それって、以前と何が変わったのでしょうか?
佐々木 まず生命というものが、これまで考えられていた以上に多様で複雑なものであることが分かってきて、深海底のように、これまではとても生き物がいないと思われていた場所にも存在することが判明した。したがって、生命が存在する可能性のある場所が、地球の限られた環境だけではなくて、宇宙にまで大きく広がってきたわけです。
一方、地球以外の惑星で生命がいそうな場所が、探査機を実際に飛ばしたりすることで、現実的に見えてきたことも大きい。太陽系の中でも外でも、そういった環境が発見されつつあります。
長沼 エイリアンを調べるわれわれの知識や技術がだいぶ熟してきたというタイミングの良さがあったわけですね。あと科学の未来を考えたとき、一つのゴールとして宇宙生命の発見という夢がありますよね。そこに向けて科学技術を結集していくことが、今回の展覧会の趣旨でもあるのではないでしょうか。
ところで僕はよく「宇宙人(宇宙生命)はいると思いますか?」と聞かれて、立場上「いる」と答えている……いや、本当に「いる」と思っていますが、佐々木さんはいかがですか?
佐々木 サイエンスの立場でお話ししますと「宇宙生命は、火星にいた。でも、今はいないだろう」という答え方をよくします。個人的には今でもいてほしいのですが、太陽系の場合、地球以外の惑星に大きく進化を遂げた生物がいたかとなると、それは難しい。ただ、太陽系以外の星については、そういう生物がいるのではないかと思っています。
長沼 何で「いてほしい」と思うのですか。
佐々木 実は地球の生命は、火星から来たという説があります。もしも今でも火星に生きている生物がいれば、それが本当に地球のものと同起源かどうかを確かめられます。
長沼 地球の生命はもともと火星から飛んできた!どうやってですか?
佐々木 われわれは火星隕石を手にすることができます。火星に隕石の衝突が起きると、そこからまた隕石が飛んできて、それらが地球の大気を通って……大気圏内で壊れちゃうものも多いですが、生き残って地表に落下するものもある。そういった火星隕石が、かなりたくさん見つかってきています。「火星にも生命が存在した証拠が見つかった」という有名な報道は、その火星隕石を調べたところから出てきたわけです。
今のところ、その中に現代の地球上で生きているようなバクテリアは全く見つかっていませんが、大昔、まだ地球上はとても生命が住めないような厳しい環境だったとき、当時の火星が地球よりも生命の発生に適した環境だったと考えられる。そのとき火星に誕生した生命が、隕石に乗って地球にやってくることは、十分に考えられます。
長沼 地球よりも火星のほうが生命の発生に適した環境の時代があった。面白いですね。
佐々木 今から40億年以上昔、まだ地球が非常に熱かった時代です。当時の地球は海に覆われていたのだけれど、地表の温度が非常に高くて、何度も海が干上がったり、また雨が降って海ができたりを繰り返していた時代だったと言われています。そうすると、せっかく生命が発生してもまた消滅してしまう。
現に、地球上で見つかっている最古の岩石というのは40億年もいってなくて……39.6億年ぐらいです。鉱物だと、もう少し古い年代のものもありますが。つまり、それ以前は火山活動が激しすぎて、古いものが残存していないとされている。一方、その頃の火星は割りと温暖で、水もたくさん存在したような環境だったと考えられている。
長沼 太陽系そのものの年齢が、約45.5億年ぐらいですよね。
佐々木 普通に考えたら、地球の方が太陽の近くに位置しているわけで、火星よりも暑かったと言われたら、そんな気がしますよね。ただし、当時の太陽は、今現在のそれよりもどちらかというと暗い星で、地球も火星も大量の二酸化炭素が温室効果を強めていたせいで、温暖な状態になっていたと考えられている。地球は火星と比べて、その温暖化の度合いが非常に激しかったと言われています。
あと、当時はまだ隕石が惑星の表面にバンバン衝突してくる時代でした。特に、太陽系ができて5億年ぐらい経った、今から約40億年前の頃は、非常に激しい隕石衝突がありました。だから非常に激しい衝突が火星にあって、そこから地球までものを運んでくる可能性も、かなり高かったと考えられています。
長沼 いわゆるHeavy Bombardment、重爆撃時代ですね。
佐々木 月の表面にも、その時の衝突でできたクレーターがたくさんありますが、それらが作られた時代です。
長沼 昔の火星にまで遡ると、生命が発生しやすい時代があった。だけど現在の火星には、どうも生物がいそうもない。どうしてですか?
佐々木 一番大きな原因は、大気が薄くなり寒冷化したことです。昔は火星表面の二酸化炭素の大気が非常に厚くて温室効果が保てたのだけれど、今や1000分の6気圧。地球よりもずっと薄いので、温室効果もほとんど効きません。過去の厚い二酸化炭素の大気は、火星の表面から逃げたとされています。
一説によれば、二酸化炭素の大気は地下に蓄えられて、石灰岩みたいな(二酸化炭素をたくさん含む)岩石になっているのでは、という見方もありました。ところが火星の地面をいくら調べても、石灰岩のような岩石は見つからない。そうすると地下ではなくて、宇宙空間に逃げだしたのかもしれない。
一つの有力な説が、誕生から間もない頃の火星には磁場があって、大気が保持されていたという話です。地球や火星といった惑星は、鉄のような金属が溶けてできた「核」が中心部にあり、そこで対流が起きることで、惑星に磁場が生み出されるのですが、おそらく火星は早い時期に冷えてしまって、それが固まって対流を起こさなくなり、今から約40億年前に磁場を失ったのでしょう。そうすると、太陽からの太陽風、プラズマの粒子が直接吹きつけるようになり、火星の大気をはぎ取ってしまい、それで火星が温暖な気候でなくなってしまった……というのが一つのシナリオです。惑星規模での磁場の有無が、生命の存亡にも関係しているわけです。
長沼 たしかに、火星に磁場がないのが生命の発生に不利な条件と言われたら、そうですよね。それは火星が(地球と比較しても)小さな惑星だったから、より早く冷却されてしまったせいとも考えられる。一方、地球の兄弟星と言われている金星は、サイズ的には地球とほぼ同じだけれど、こちらにも磁場はない。
佐々木 それには色々な説があって、一つは、金星の自転が遅すぎるという説。火星や地球は、ほぼ24時間で1回自転しているわけですが、金星は逆向きで1回自転するのに2百数十日くらいかかる。非常にゆっくりとしか回転していない。すると核の中で対流を起こすには、惑星そのものの回転運動がやはり必要で、それが足りないという話がある。
あと、これまた細かい話ですが、惑星が磁場を形成するためには、惑星内部の金属の核の状態が、外側は溶けていて内部は固体じゃないといけない。だけど、金星は熱くて核の内部も全部溶けているからダメなのだ、と言う人もいます。
長沼 地球ぐらいのサイズが大事だったり、磁場や気象条件が必要だったり、生命の誕生には様々な条件が必要になってくる。その中で地球という星は、そうした様々な条件にも恵まれ、今実際に生命が存在する惑星ですよね。過去の環境はさて置くとして、現状で言うと、金星は熱すぎるし、火星だと冷たすぎる。では地球以外だと、どの辺りが都合よいのでしょうか?
A・C・クラークが予言した、エウロパの海底生命
佐々木 生命が存在するためには、液体の水が潤沢にある環境が必須だ、という話から、太陽からの適当な距離が必須だと、よく言われます。そういう条件から言うと、現在の太陽系では地球ぐらいしか見あたりません。
天体の表面だけを考えたら、たしかにそうなのですが、天体の中にまで対象を広げれば、もっと温度が高いところがあるので、範囲も広がります。長沼さんもご存じの、木星の衛星であるエウロパとかは、天体内部の温度が高いので、液体の水が存在できる場所の一つですね。
長沼 中が熱いというのは、要は火山活動が活発であるというようなイメージですよね。地球なんかはある程度大きい星だから、まだ冷え切っていないので、内部は暖かいし、火山活動もある。だけど、火星は地球の10分の1ぐらいのサイズだし、もうすっかり冷え切っちゃった、と。でも、エウロパだって、やはり小さな天体じゃないですか。これは冷え切っていないのですか?
佐々木 エウロパは木星のすぐ近くにあって、実は木星の潮汐力を受けて、エウロパ自身がかなり強く変形作用を受けています。そうすると、その変形の摩擦エネルギーが天体の内部で解放されることが重要になってくる。
エウロパの表面は氷に覆われていて、「氷の地殻(氷殻)」と呼ばれているのですが、氷自体の重量は天体の1割ぐらいと、それほど厚い層ではなくて、実はその氷の下に、かなり厚い水の層があるのではないかと言われています。人によっては、そんなにはっきりとした海の状態ではなくて、柔らかい氷が内部に広がっているという説を唱える人もいますが……。
たいていの物質は、固体の方が液体の状態よりも重たいのだけれど、水と氷では、氷(固体)の方が水(液体)よりも軽いという不思議な性質がある。そのおかげで、エウロパにおいては氷の中の水が宇宙空間から守られている。と同時に、圧力が高くなると、より低めの温度でも氷は溶けてしまう。そうすると、天体の表面から中に入っていくと温度が上昇しますから、ある深さに達すると液体の水が出てくるわけです。
その固体の氷と液体の水のさらにその下には、岩石の固まりがあると言われていて、そこで(先ほど言ったような)木星の潮汐力による何らかの火山活動があるのではないかと言われています。それが熱源となって、氷のすぐ下の水の層を暖め、凍結しないようにしているわけです。
これ(図1)がエウロパの表面の画像です。非常に多くの筋が見えますが、これらは氷の表面が開いたり閉じたりしてできた筋だと言われています。あと、茶色っぽく見える部分は、地下から塩分濃度の高い水が吹き出して、表面に撒き散らされた跡だとされています。

- 図1.エウロパの表面
長沼 表面が氷というと、何か「凍りついた衛星」というイメージがしますが、実は非常にダイナミックな星なわけですね。
佐々木 太陽系内の天体は、だいたいどの星でも衝突でできた丸いクレーターで表面が覆われています。だけど、エウロパにはそれがあまりない……というのは、この星の表面が非常に新しいという証拠なのです。だから、表面が開いたり閉じたりしただけではなくて、時にはもう全体が壊れてしまうくらいのことも起きたのではないでしょうか。
長沼 この宇宙において、水(H₂O)はとてもありふれた物質だけれど、同時に一番奇妙な物質でもあるというのは、とても面白いご指摘ですね。たしかに固体(氷)が液体(水)の上に浮く物質といって思いあたるのは、水以外にあと2、3くらいしか思いつきません。
もしも水が一般的な他の物質と同様に、固体の状態になると液体の中で沈んでしまったら、どうなるか? 例えば、地球は過去に何回か、表面が(海まで)全部凍った時代があった。ということは、凍った氷は下に沈んでいく一方、海の表面がさらに凍って、また沈んでいく。それが繰り返されるうち、結局、海は表面から海底まで全部凍ってしまう。でも、水という物質が不思議な性質を持っていたおかげで、氷の下の水が凍らずにすんだ。もし、水の性格がそうじゃなかったら、たぶん地球に生命は生まれなかっただろうし、エウロパに生命探査をしようとも思わなかったでしょう。
佐々木 昔、表面が凍りついていた頃の地球は、エウロパのような世界だったかもしれませんね。氷の下の海で生命が生き延びていて、大陸のような陸地上では、ほとんどの生命がいなくなってしまったかもしれない。
長沼 しかし実際のエウロパは、ほぼ木星の位置にあるわけですよね。地球と太陽の距離を「1天文単位」と言うけれど、そうするとエウロパから太陽までは約5天文単位。太陽から受ける光の量は(5の2乗ですから)25分の1……地球と比べて、たった4パーセントしか届かない。そういう世界では、地球みたいに光を受けて繁栄する(光合成のシステムに依る)植物は、あまりいなさそうですよね。では、どんなシステムの生命系があるとお考えですか。
佐々木 たしかに、いくら氷は光を通すからといって、何十キロメートルもの厚さだと、たぶん光はその下まではほとんど届かないので、たとえ光合成を行なえる生物がいたとしても、日光をエネルギーとして使える状況にはなかったと思います。そうすると、その海の底で火山活動があったと先ほど言いましたが、その火山活動のエネルギーを使うような生物という仮説が考えられます。
長沼 地球上でも火山活動のエネルギーを使う生命の可能性が、近年クローズアップされてきましたよね。いわゆる深海熱水活動が発見されたのが、今から31年前。それから、摂氏300度を超えるような高温の熱水が深海熱水噴出孔から吹き出しているのが発見されたのが、今から29年前。約30年前にそれらが発見され、その周囲に不思議な生態系をもつ生物が確認された。
ちょうどその頃、エウロパの隣のイオという星に活火山が発見された。不思議ですよね。ほぼ、同じタイミングでしたから。と同時に、それらの発見が、今現在われわれが研究していることのきっかけにもなったわけです。
ちなみにその頃、こういった二つの事象を結びつけて……つまり「エウロパの氷の下には溶けた水でできた海があり、その底には海底火山があって、不思議な生態系があるのではないか」と言ったのが、かの有名な『2001年宇宙の旅』の作者である、アーサー・C・クラークですよね。
佐々木 ちょうど昨日(3月19日)、亡くなられましたよね。私も映画の『2001年宇宙の旅』には、けっこう感動した一人ですが。実は彼の存在があったからこそ、その後の木星探査とかが開始されたのだと言う人もいるぐらいです。つまり単なるSF作家というよりも、むしろ同時代の科学者にもかなり大きな影響を与えたのではないかと思います。
もしも10年後ぐらいに、宇宙探査機がエウロパ辺りに飛ばされた時には、おそらく「クラーク」という名前がつくかもしれませんよ。今、日本とヨーロッパが共同で水星探査を行なう「べピ・コロンボ」というミッションを実施しようとしているのですが、同じ枠組みで木星やエウロパの探査もやろうという計画がある。残念ながら今決まっている宇宙探査機の名前は「クラーク」ではなくて、「ラプラス」という名前がもうついていますけれど、うまくいけば、あと10年か15年後……15年も経つと私も定年になっちゃうから、もう少し早く実現してほしいですね(笑)。
長沼 アーサー・C・クラークの時代は、木星やエウロパ探査と言っても、まだまだ夢物語っぽい部分がありましたが、今は(佐々木さんが今おっしゃったように)もう10年後の実現を見据えて、日本人チームも含めて木星探査の可能性を検討している。10年なんてあっという間ですからね。
タイタン、油の海の生命体……
長沼 佐々木さんのお話を伺っていると、エウロパに何らかの生命がいそうな気がだんだんとしてきましたが……ちなみにこのエウロパ以外に生命が存在しそうな星って、ありませんか?
佐々木 今、面白い天体は、やはり土星の衛星のタイタンだと思います。今、「カッシーニ」という探査機が土星の周りを回って、このタイタンの写真を撮っています。あと、「ホイへンス」という「カッシーニ」に付いていた突入機が、タイタンの大気を通って表面に着陸しました。それで、予想もしなかった様々な表面の様子がだいぶ分かってきた。もともとタイタンというのは大気が煙たいというか、塵がたくさんあって中があまり見えなかった。しかもその大気の塵が有機物の塵だということで、「あ、もしかすると、これは生命が……」という話があったのです。
長沼 だからかタイタンは、エウロパみたいに表面の筋があまり見えないけれど、これは大気の塵のせいですか?
佐々木 そうです。窒素を主成分とする大気があって、表面気圧はちょうど地球と同じ1気圧くらい。探査機「ボイジャー」が行った時も、表面は塵で覆われて何も見えませんでした。あともう一つには、この窒素の大気の中にメタンが含まれていて、そのメタンが光を吸収するため、表面をなかなか見ることができない。でも、「カッシーニ」である波長を使ったら表面を覗けることが分かりました。

- 図2.タイタンの表面
これ(図2)がタイタンの表面、「ホイヘンス」の着陸地点ですね。表面はこのように、20センチぐらいの大きさの氷の石がゴロゴロしています。その氷の石の周りには沼地があります。どういう沼地かというと、おそらく氷の粒と有機物が混じっていて、そこに湿気を与えているのが(先ほどの)メタンという液体です。

- 図3.「ホイヘンス」が撮ったタイタンの表面
上の画像(図3)は、「ホイヘンス」が着陸直前に撮った写真ですが、このように川筋が見えます。これは、メタンの雨が降って、流れて、作られた川です。それで大気に含まれていた塵が表面に堆積して、こういう黒い色になっているわけです。

- 図3´.タイタン表面の川筋
長沼 普通、メタンと言うと、われわれはメタンガスを連想するけれど、タイタンでは温度が低すぎて液体になっちゃうのですか? 気温は何度ぐらい?
佐々木 だいたいマイナス190度ぐらい。で、この下の画像(図4)が電波で撮ったタイタンの北極付近の風景なのですが。これは勝手に色をつけていますけれど、メタンの湖がこのように点在していて、非常に面白い。

- 4.電波で撮ったタイタンの北極付近
「カッシーニ」が行くまで、タイタンはメタンの海に覆われているという説がありました。けっこう強い説だったので、海に「ホイヘンス」が落ちても浮かぶように作られていたくらいです。だけど(幸か不幸か)、あまり大きな海はタイタンには見つからなかったので、最初はがっかりしたのですが、よくよく見ると、こうした湖がたくさんあった。いかにも地球の湖と似ているので、想像を働かせると、メタンの液体でも生物はできるかも……。
長沼 可能だと思うけれど、そもそも液体がただあるだけではダメでしょう。先ほどのエウロパと同様に、何か火山活動的なものがないとダメな気がします。タイタンには火山活動はありそうですか?
佐々木 タイタンも表面は氷で獨われているのですが、どうも火山っぽい地形もある。氷の火山……だから「氷火山」と呼んだほうがいいのですが、今のところ火山だと言われています。ただ、もう少し正確に調べないといけないので、今この地域をレーダー撮影するのを待っている状態です。
長沼 ある程度、火山活動があって、水であれメタンであれ、液体があるならば、生命への期待は膨らみますよね。確かに地球を見てみると、メタンを食べる生き物や、メタンを作る生き物もいることを考えると、メタンというのは生命活動に非常に関わりが深い物質だと言えます。タイタンにメタンの湖があると言うけれど、メタンって水とは違うでしょう。
佐々木 H₂Oって分子構造がちょっと傾いて曲がっているため、水には色々なものを溶かし込んでしまう性質があるのですが、その点ではメタンは非常に穏やかというか、他の物質とあまり混じり合わない。
長沼 確かに水は、宇宙内部で最もありふれた物質であるにもかかわらず、最も奇妙な性質を帯びてもいる。それと比べて、メタンはどちらかというと油っぽい。水と油というように、同じ海でも水とメタンでは、たぶん全然違うでしょう。そういうメタンの海の中でどういう生命があり得るかを考えるのが、いわゆるアストロバイオロジー(宇宙生物学)の楽しみでしょうけれど。
一つ、僕が今考えているのは……われわれの身体は概ね水でできています。細胞だって成分の殆どは水です。もともと地球の生命は、海の中で誕生したと言われている。つまり、水の中で水っぽいものが生まれたわけです。それでわれわれは、自分の身体という水と、周りの外界の水を区別するために、間に油の膜を張った。それを細胞膜と言います。だけどタイタンの場合、周囲が油の海だから、もう仕切りはいらない。そうなると、タイタンには細胞膜のない生命体がいるのかもしれない。地球の生命の場合、細胞膜が生命の定義にも関わる非常に重要な特徴と言われているけれども、それが無くてもいいという意味で、タイタンの生命体を考えるのはとても面白いですよね。
太陽系の辺境にも生命は宿る?
長沼 地球からだんだん離れて、火星、木星、土星まで行ったけれど、土星の外側はどうですか?
佐々木 タイタンは土星でも特別に大きい衛星ですが、天王星まで行くと、それほど大きな衛星が見あたらない。さらにその外側の海王星には、トリトンという非常に大きい氷衛星があります。
実は、このトリトンというのは、海王星の周囲を自転とは逆方向に回っているので、海王星の周りでできた天体とは考えづらくて、むしろ海王星に捕らえられた星ではないかと思っています。最近、冥王星が太陽系惑星から外れてしまったというニュースがありましたが、実はこのトリトンも、冥王星と同じような天体だと言われています。
冥王星も、氷の表面で覆われています。冥王星を惑星の座から落とした、エリスという(冥王星よりも少し大きい)天体があるのですが、冥王星よりも明るくて、これまた氷に覆われている。最初は、氷と岩石が集まってできた天体なのだけれど、比較的初期の段階で暖かくなって、岩石が中に沈み、氷が外側を覆っていった。すると、トリトンや冥王星やエリスぐらい大きな天体になると、今でこそ表面は凍っていると思うのですが、かつては氷が溶けていた時代があったはずで、ちょうどエウロパのように地下に海があった時期が、まず間違いなくあったと思います。
長沼 「初期の段階」というのは、45億年前とか……太陽系ができた頃ですよね。でもその頃は、太陽からとても遠い場所だったら、無茶苦茶寒いのではないでしょうか?
佐々木 たしかに「太陽系ができていきなり生命が誕生した」というのは、難しいかもしれない。放射性熱源が少しずつ天体の中を暖めるのに時間がかかるから……もしかすると、数億年ぐらい必要だったかも。
長沼 なるほど。そういった初期の段階で、太陽からとても遠いにもかかわらず、内部の熱源で氷を溶かすようなことがあり得た、と。凄いね……。
佐々木 これもかなりの極論なのですが、冥王星やエリスの辺りの天体を「カイパーベルト天体」と呼びますが、われわれがよく目にする彗星(コメット)は、そこから来ているという説が強い。つまりコメットというのは、大きな天体になりきれなかった天体から来ていると思われているのですが、もしも大きな天体が衝突で粉々になってしまったところから彗星がやって来て、太陽系の内側にまで入ってくると、昔の地下海洋の名残りがその彗星の中に入っているかもしれない。そうなると、もしもそこで生命が発生していたら……と考えると、また面白い。
長沼 カイパーベルト天体の辺りが、概ねハレー彗星の故郷だとします。ハレー彗星なんか氷の塊だと言われているから、例えば地球よりもずうっと輝いているかと思うと、意外と違うんですよね。
佐々木 ハレー彗星は、表面が蒸発して氷が無くなってしまった部分が真っ黒に見えますからね。昔は、そういったところにさらに紫外線が当たると有機物ができて……とか色々考えられていて、その中で生命ができる可能性も議論されていました。例えばフレッド・ホイルは、インフルエンザウイルスがそうした彗星からやって来たという説を唱えました。むしろ私は、太陽系外縁天体の方で割りと大きな天体があったならば、その中でもっと生命誕生に相応しい環境ができたのではないかと思っています。
長沼 太陽系も端っこの辺りまで来ましたが、さらにその外側には目立ったものはありますか。それこそ「オールトの雲」くらいですか?
佐々木 「オールトの雲」というのも、やはり太陽系ができた時に放出された氷天体だったと思われています。ただし、割りと小さめの天体が多くて、あまり大きくはなっていない気がします。
長沼 さっきのエウロパの時、エウロパというのは氷の部分が非常に大きくて、さらに水の部分も大きいわけですよね。そうすると、エウロパの質量の何割かの組成は水じゃないですか。だけど地球の場合、水なんて地球の質量の0.0何パーセント程度ですよ。だから、よく地球のことを「水の惑星」とか言っているけれども、エウロパなんて、恐らく質量の10パーセント分が水ですよね。それは太陽系の外側に行けば行くほど、そうなってくる。地球よりも向こうの方が、もっと「水の天体」なわけです。だから僕は、太陽系の外側の方に(生命発見の)大きな期待を持っているわけです。
太陽系外惑星における生命の可能性
長沼 そろそろ太陽系を出ようかと思いますが、太陽系の外で何か候補地は?
佐々木 最近注目されつつあるのが、太陽系外惑星。太陽系の外でそういった可能性のある惑星が、先ほどチェックしたら277個ある。これに太陽系の惑星を8つ入れると、285個。8つというのは、ちゃんと冥王星を抜いてあるからですが。
長沼 さすが、細かい(笑)。
佐々木 しょーもないですが(笑)、それだけ見つかっています。それも、そんなに昔の話ではなくて1995年のことです。最初に見つかったのは、現在の太陽系の木星ぐらい大きな天体が、中心の星のすぐ傍をぐるぐると回っているという、想像もつかなかった天体でした。ちなみに木星の質量は地球の約318倍あるのですが、最近では地球の5倍ぐらいの質量の小さい天体も見つかっています。
木星は、水素やヘリウム・ガスがほとんど主成分の天体で、最初の頃に見つかった天体もみんなそうだったと思うのですが、地球質量の5-10倍ぐらいになると、おそらく氷や岩石が主成分の天体だと思っています。
長沼 木星はいわゆるガス惑星と言われていて、地球は岩石惑星でしたっけ。後者はどちらかというとサイズが小さいから、なかなか発見しづらいようですね。
佐々木 大きさで言うと、やはりガス惑星のほうがずっと見つけやすい。太陽系外惑星を見つける一つの方法は、中心の星の前を惑星がよぎると、中心の星の光を一瞬隠すので暗くなる。それは本当に1パーセント程度の微妙な変化なのですが、それを検出して見つけるというやり方で、たぶん20個ぐらいは見つかっているんじゃないでしょうか。ただ、その方法だと、地球サイズの惑星になると、やはり小さくて見つけにくい。
長沼 ですよね。ただ、地球サイズの岩石惑星が、太陽系外にないとは言いきれない。
佐々木 間違いなくあると思います。おそらく太陽系と同じような木星型惑星があったならば、その内側に地球型惑星がある可能性は高いと思います。
長沼 先ほど、われわれの太陽系において、木星の周りを回っているエウロパみたいな衛星があったように、太陽系の外の系外惑星というのも、何かあるんじゃないですか。
佐々木 十分にあると思います。今回の「エイリアン展」ゾーン3の「ブルームーン」でも「木星型惑星の周りを回っている天体の上の生命は」という話があったと思うのですが、まさしくこれは、けっこう可能性が高いんじゃないかなと思っています。
あと、太陽系でもエウロパの外側にあるガニメデという氷天体は磁場を持っています。だから、その大気を持った天体がさらに磁場を持って、大気が逃げ出さないようにしていると、生命の誕生にけっこういい環境ではないのかな、と思います。
長沼 たしかゾーン3には、あともう一個ありましたよね。架空の、想像上の惑星なのだけれど、「オーレリア」でしたか……あれは赤色矮星?
佐々木 はい。太陽よりも少し小さくて暗い星。その周りだと、中心の星に割りと近い場所が……例えば実際の太陽系で言うと、金星や水星ぐらいの場所が、生命の発生にとってちょうど都合のいい場所になるという話ですね。
そうなると、おそらく自転と公転の周期が同期して、いつも同じ面を中心の星に向けている、あるいは、けっこう長期間向けているという話になってくる。つまり、長期間の昼と長期間の夜が交互にやって来る。そうすると、生命が発生するには、ちょっとしんどいかなと思います。
長沼 地球の場合は、太陽から1億5000万キロぐらい離れているので、自分で勝手にクルクルと自転することで昼と夜がある。これが生命の発生には都合がいいわけですよね。だけど恒星に近すぎると、今度は自転しづらい。重力の関係かな?
佐々木 そうです。確か水星は、3回公転する間に2回自転するんでしたっけ……あれ?忘れっぽいので(注:2回公転する間に3回自転する、が正しい)。
長沼 あのぅ、一応、天文学者ですよね……(笑)。
佐々木 あるいは、1回自転する間に1回公転するケースもあります。そういう釣り合った状態になると、昼の時間が非常に長くなる。あるいは、ずうっと昼と、ずうっと夜という感じになってしまう。そうすると、これまた生物にとっては、厳しい環境だと思う。
長沼 太陽みたいな中心の恒星にいつも同じ面が向いている、つまり、昼の面はずうっと昼で、夜はずうっと夜だと、何が悪いのですか?
佐々木 非常に活発な大気の運動があって、それを平均化することが起きているといいのかなとは思います。ただ、それでも、もしも液体の水が表面にあったとすると、夜側にどんどん氷として運ばれていってしまう。たぶん、夜側の冷たい所にどんどん雪が降って、氷が溜まっていって、表側から蒸発していってしまう。一度氷になってしまうと、それを蒸発させて水に戻すことができないから、そこで終わってしまうと思います。
長沼 水がどんどん夜側の方に移って、氷になってしまうので、液体の水、すなわち海が存在し得ない星になってしまう、と
佐々木 同じ面を常に向けていたら、そうなってしまいますね。昼夜がちょっと長いぐらいだと、どうにか少しは変わるかもしれないですが。
長沼 でも、大気があったなら、それによる熱の移動がありませんか?
佐々木 それがどの程度、効くのかが難しい。例えば現在の金星は、確かに大気による熱輸送が効いているので、かなり平均化されているのですが、金星の場合、逆に大気が厚すぎて表面温度が高くなっていますね。太陽の光そのものは金星の表面にあまり到達していなくて、大気の遥か上の方で反射して吸収されてしまう。そうすると逆に、蒸発が激しくなって、大気も厚くなって……という可能性が出てきます。
長沼 今の地球だと、自転しながら赤道あたりが熱せられて、暖まった熱が空気や海流で南極や北極の方に来ますよね。だけど、例えば2億年前の地球なんて、大陸と海の配置が今と全然違う。たしか2億年前は、たった1個の超大陸と、たった1個の超海があった。そういう時代はまた別の理由で循環していたのだろうから、大気による熱伝導にも色々なパターンがあり得るかな、と。
佐々木 あと地球は、海の循環もけっこう重要ですよね。最近では、昔の地球の海の配置ではどういう循環があったか、なんて研究をしているくらいですから、おそらくあと10年も経たないうちに「系外惑星での海洋の循環」みたいな研究が始まるのではないかと思います。
長沼 楽しみがますます増えてきました。そういう研究成果をぜひ見てみたいですね。シミュレーションはやった者勝ちだから、早くやってほしい。
「他の宇宙」の生命は認識可能なのか?
長沼 系外惑星から、さらに太陽系の外に出て、いよいよ宇宙単位で生命存在の可能性について考えたいです。ちなみにこの宇宙って、137億年前にビックバンとか、さらにその後の、いわゆる「宇宙のインフレーション」で始まったらしい。それで、この宇宙の中に、現にわれわれのような生命がここにいるわけですが、どうなのでしょうか。端的に言って、われわれの他にも生命が存在する宇宙があったとすると、それはいったいどういう宇宙なのか?
佐々木 色々なことを考えている人がいますが、私は、違う宇宙には違った生命がいてもいいのではないかと考えています。これは直感なのですが、宇宙がいくつもあったなら、それだけの種類の生命があってもおかしくない、と。
でも、物理学に詳しい人の話だと、われわれのような生命ができるためには、当然、炭素や酸素のような、比較的重たい元素がなくてはいけないらしい。それで、重たい元素ができるためには素粒子の 物理的な性質……素粒子同士が引き合う力とかが、今のこの宇宙の物理法則とちょっとでも狂っちゃうと、うまくいかないらしい。
だから今現在の時点では、「この宇宙に存在する生命ができるために、一連の物理法則が調えられているようだ」と言う人もいるくらいです。いわゆる「人間原理」という考え方です。また知的生命体が誕生して、そういう宇宙をちゃんと認識できることが、その物理法則の制約になる、あるいは、宇宙そのものの制約になる、と言う向きもあります。哲学で言うところの「我思う、故に、我あり」とか、そういう話に繋がっていくわけです。でも僕は、そんなに制約をつけなくてもいいのではないかと思っています。
長沼 そう考えると、生命というのは本当に不思議だよね。物理学者が言うには、今、こういう宇宙があって、それとまた違う宇宙では、この世界と同じ物理法則は成立しないだろう、と。だから「生命が存在し得ない宇宙もある」という理屈ですよね……。
佐々木 でも私は、別に違う宇宙があったならば、そこにわれわれと全く違った生命体がいてもいいという立場です。
長沼 だけど、そうなると、よその宇宙のことは、たぶんわれわれには理解できないですよね。ただ、今言った「人間原理」というのは「この宇宙は、生命、さらには知的生命体を生むための舞台装置が調っている宇宙だった。だから、ここに生まれたんだよね」という、ある意味、開き直りですよね。
かたや、よその宇宙にはそういった舞台装置がないから、われわれと同じような生命が発生し得ないというのが、言わば人間原理的な大きな宇宙観なのだけれど、佐々木さんは、それぞれの宇宙にそれぞれの生命が発生し得ると考えているわけですよね。
佐々木 だからそれは、もう「生命の定義」みたいな話になってしまうのですが、別に酸素がなくても生きられる生命があってもいいじゃないか、と。そういうことです。
ひきこもり気味の、知的生命体?!
長沼 「生命の定義」は難しい。ただ、佐々木的な宇宙観であれ、人間原理的な宇宙観であれ、この宇宙には現に生命が、われわれが現存している。これがたった一つの例であるのか、他にもいるのかというところが大きな分かれ目でしょうね。
佐々木 そうでしょうね。さらに付け加えれば「(別の生命が)いた」としても、われわれがそれらとコミュニケートできるようなものではないのかもしれない。あるいは、そもそも、そういう別の生命体をわれわれは認識さえできないのかもしれない、何かそういう気がしませんか?
長沼 う一ん……いや、難しいところだね、そこは。つまり(別の生命が)バクテリア的なものだったら、そこら中にいてもいいよね、ということ?
佐々木 おそらく、それもあるでしょう。
長沼 人間みたいにコミュニケーションをし得る生き物は、なかなかいないだろう、と?
佐々木 一方で、地球外生命と電波で交信しようという、いわゆるSETI(Search for Extra–Terrestrial Intelligence/地球外知的生命体探査)という研究がありますよね。
長沼 たしか「エイリアン展」のゾーン4にも、SETIのコーナーがありましたよね。
佐々木 例えば電波天文学をやっている人が昔から研究をしていて、最近では系外惑星にもアンテナを向けています。あれって「われわれと同じような知的生命体が宇宙の彼方にいたら」という前提で、星からの電波を解析したり、地球上から宇宙に向けて交信電波を発射しているわけです。でも、よくよく考えてみたら「われわれと同じような知的生命体」である必然性はないのではないか、と。
SETIというのはある意味、人類が宇宙の外側に向けて情報発信しているように、「知的生命体が進化していくと、その宇宙のこと自体を知りたくなり、どこかとコミュニケーションを取りたくなるから、宇宙に向けて情報を発信するのが当然だ」という、一種の強迫観念が元になっているのだと思うのです。でも僕は、必ずしもそうではないのではないか、と言いたいわけです。
長沼 つまり「内側に閉じこもりがちな文明」もあり得る、と。
佐々木 そうですね。例えば、ある生命が発達して、何らかの電波を発信し始めると、それがかなりのスピードで宇宙空間をどんどん広がっていく。それは宇宙が膨張するスピードよりも早いから、すでにわれわれの所にも他の生命から何らかのコンタクトがあるはずだ、と。だけど今のところ、何のコンタクトもない。だから、宇宙には他に生命がいないのだ……という奇妙な論法がある。でも、別の生命が築きあげた文明や社会が、そんなふうに外へと広がってゆき、外部とコンタクトしようという意思を持つ必然性は、別にないのではないでしょうか。
長沼 例えばわれわれ自身のことを考えると、文明が起きて、まだせいぜい5000年ぐらい。しかもその5000年の間で、電波を使い出したのって、実はこの数十年くらいの話じゃないですか。つまり、文明のスパンの中で、その100分の1レヴェルでわれわれが電波を使い出したなかで、他の文明と出会えるタイミングの問題がある。たった5000年の文明を抱えているだけのわれわれは、宇宙人と出会うために十分な長さを保っていたのかな、という気がします。まだダメですよね、きっと。
佐々木 そうかもしれないですね。あと最後にもう一つ、これは、けっこう適当なことを私が思っているだけなのかもしれませんが、生命って割と厳しい環境の中にいればいるほど、進化するところがありませんか。
長沼 いじめられて育つ、みたいな?
佐々木 そうすると、非常に恵まれた環境にいる生命というのは、実はあまり進化しなくて(われわれ人間もそうだと思うのですが)、十分に満足な生活が送れたら、もう向上心もなく、のんべんだらりと暮らして、「宇宙がどうなったって別に知らないよ」というか、もう現状だけで満足しちゃうような生命体があってもいいのではないか、と思うわけです。そうすると、外の宇宙のことまで知りたいとか、わざわざ別の生命とコミュニケーションを取りたいとか、そういうことは全く思わないでしょう。
長沼 何か自分の怠慢のことを言われているような気がしてきましたけれど(笑)、「それでも私は宇宙をめざす」と最後に表明しておきたいですね。
(2008年3月20日/東京お台場・日本科学未来館)
本稿は、日本科学未来館の「エイリアン展――モシモシ、応答ネガイマス。」関連企画として開催された「長沼毅トーク・ライブ―脱・「知的」生命探査のススメ!」第1回「惑星一生命に満ち満ちている宇宙」の対談講演を元に再構成したものです。
写真提供:NASA
長沼毅
佐々木晶