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あなたをこれまで最も遠くへ誘ってくれたもの(こと)はなんですか?
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やっぱり僕は「音」です。目に見えないものは、見えることを超えたイマジネーションをひらいてくれます。世界中の音を拾い集めるのが趣味な僕ですが、そうやって採集してきた時間も場所も異なる音たちを、伸ばしたり縮めたりして混ぜ合わせ、架空の世界をつくりあげていくとき、最も遠くへいっている気がします。
そして、その現実とも非現実ともいえない世界に耳をすますことによって発せられるイメージを、人々の内側に異なるかたちで存在させ、そこから生まれる無数の物語を、丁寧に引き出していくこと。これがおそらく僕の仕事ですが、視覚が後天的な経験や学習に支えられたものであるのに対して、目に見えない感覚器の本能的で高速処理、瞬間的にどこかへ誘う力に魅了され続けています。
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既存のウェブメディアに不満を感じること、またこれからのウェブメディアに期待することはなんですか?
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寄り道できるノイズにまみれた豊かなものを期待します。毎日濁流のようにS/N比の大きなものばかりあびてしまってるので。
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evala 音楽家・サウンドアーティスト
1976年生まれ。新たな聴覚体験を創出するプロジェクト「See by Your Ears」主宰。立体音響システムを駆使し、独自の“空間的作曲”によって、先鋭的な作品を国内外で発表している。