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あなたをこれまで最も遠くへ誘ってくれたもの(こと)はなんですか?

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遠さというとすぐ思い浮かぶのが、今年の冬に雪山に行ったときのことだ。一回目は豪雪の万太郎山で、深い雪をかき分けて進む必要があった。下山時にやっと舗装した道路に戻ったと思ったら林道も腰まで到達しそうな深さの雪で埋まっており、夏であれば10分もかからないような道を2時間ほどかけて移動しなくてはならなかった。

ようやく駅に辿り着き、終電に間に合ったと喜んでいたら豪雪で電車が止まっており、その後また重い荷物を背負って土樽の駅から越後湯沢の駅まで12km歩いた。苦労したが、自分の足だけが信頼できる交通手段であることの確かさを感じ、不思議な高揚感があった。

二回目は南アルプスの聖岳で、夜自分たちのテントの中で時折遠く聞こえる飛行機の音だけが人工環境を思い出させることに感慨を覚えていた。こういった環境は地球上にいながらにして距離の宇宙的相対性を思わせてくれる。

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既存のウェブメディアに不満を感じること、またこれからのウェブメディアに期待することはなんですか?

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  • 不満:タイトルがセンセーショナルなものが多すぎる
  • 期待すること:一時の消費でなくアーカイブに耐えうるようなメディアが出てくると良いのではないか
齋藤帆奈 現代美術家

1988年生まれ。自然/社会、人間/非人間の区分を再考すること、また表現者と表現対象の不可分性をテーマに、真正粘菌、有機物、ガラス、画像解析等を用いたバイオアート作品を制作している。