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あなたをこれまで最も遠くへ誘ってくれたもの(こと)はなんですか?

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ひとつに絞ることはできません。学生時代、屋久島の深い森の奥で迷ってしまったときに感じた、生も死もすべてを包み込むような森のまなざし、インドの北部、標高5000メートルのラダックで見た無限に続くような岩肌の大地、インドネシアのスラウェシ島、アルクトドロ族が幼くして死んだ赤子たちをその幹の裂け目へと埋葬するベイビートゥリーと呼ばれる大樹、太平洋の海上で遭遇した水面にたゆたう巨大な白い鯨の亡骸とそれに群がる無数の小さき命、そうした様々な光景に誘われて、これまで多くの旅をしてきました。

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既存のウェブメディアに不満を感じること、またこれからのウェブメディアに期待することはなんですか?

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マーケットが視認することのできない、いまだ声にさえなっていない言葉たちのアゴラとなるようなウェブメディアを期待します。

大小島真木 アーティスト

1987年生まれ。異なるものたちの環世界、その「あいだ」に立ち、絡まり合う生と死の諸相を描くことを追求している。