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あなたをこれまで最も遠くへ誘ってくれたもの(こと)はなんですか?

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哲学者たちの数々の思索や概念。たとえば、ドゥルーズの「生成変化」や荘子の「物化」は異世界への扉を開くような哲学的概念です。この二人に限らず、ある種の形而上学的な議論は、空気が薄くなり、呼吸も絶え絶えになるような地点まで読者を連れ出してくれます。近年では入不二基義著『現実性の問題』で、そのような思考体験を得ることができました。

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既存のウェブメディアに不満を感じること、またこれからのウェブメディアに期待することはなんですか?

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不満を挙げればキリがありませんが、質の高い論考や議論を集中的に読める場は、本当に少なく感じています。「ここを訪れれば、有名・無名を問わず、面白い書き手や表現者が集結している」というメディアの出現を期待しています。

斎藤哲也 ライター・編集者

1971年生まれ。人文思想系から経済・ビジネスまで幅広い分野の書籍の編集・構成・執筆を手掛けている。