q

あなたをこれまで最も遠くへ誘ってくれたもの(こと)はなんですか?

a

ある昼下がりの日、普段見ているなんて事のない木を眺めていると突如「木の葉が踊っている」光景を目の当たりにした。普段はここにいる「私」があちらにある「木」を見ているというような主客の対立に基づいて見ているのに対して、そのときはその主客二元論の色眼鏡がはずれて、「私」と「木」の対立以前の、より直接的な木のリアリティに触れることができた。そのとき、普段触れている世界が実はたくさんのフィルターによって歪められた世界であると気付き、このとき経験した直接的な世界はむしろ普段からは遠いものなんだと感じた。だが同時に、そうした世界は本来はもっとも近いものであるはずなのに。私たちは子供の頃、こういったリアリティと自然と遊んでいたのに、大人になるとどうしたものか遠いものとなって、なかなか触れることができなくなってしまう。ただし大人になっても、私の経験のように、自然がその偉大さゆえに、私たちの持っている様々なフィルターをフィルターして、子供の頃のような無垢な状態を回復してくれることもある。

q

既存のウェブメディアに不満を感じること、またこれからのウェブメディアに期待することはなんですか?

a

回答なし

石原悠子 哲学研究者

立命館大学准教授。近代日本哲学(主に京都学派の哲学)と現象学の交差するところを研究領域としている。